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小児肥満

小児の肥満

日本人の食事や生活習慣はこの数十年で大きく変化しました。

1日に摂取する総カロリー量はあまり変化が無いと言われますが、脂肪分の多い食事が

増え、子供たちがいつでも好きなときに好きなものを食べることができるようになっています。

また忙しい両親が増えたこともあり、食事の時間が一定でなかったり、夕食が夜遅くなる、手軽に食べられるものが多くなり栄養学的にアンバランスな食事になりがちと言ったようなことが問題になっています。

さらにテレビ・ゲーム・パソコンなどに低年齢から長く関わり、外で遊ぶよりも家の中で過ごす時間も増加しています。

このような社会の変化の中で日本でも肥満の小児が増加し、最近では逆に偏食や少食が強く「やせ」と診断される子どもも増加しています。

おじいちゃん・おばあちゃんの時代は子どもはたくさん食べて少しぷっくりしているくらいがいい、子どもなんて放っておいても自然にやせるんだから食べたいだけ食べさせてあげるのが愛情であるとされていました。

しかし現在では幼児期早期から肥満の範囲に入るお子さんもいて、放っておくとそのまま学齢期・思春期へ、さらには成人期にまでその影響を残す子どもも少なくありません。

 

 

子どもの肥満は放っておいても大丈夫?

子どもの肥満は成人の肥満と違って病気にならないと思われている方もいますが、そうではありません。

高度肥満の子どもでは内臓脂肪の蓄積で高血圧や脂質異常症・脂肪肝、糖尿病を知らないうちに発症していることもあります。子ども時代の動脈硬化が成人期の生活習慣病に関連しているというデータもあります。

またもう一つ小児の肥満で大きな問題となるのが精神的な影響です。

中等度から高度肥満になると全体的な動きが緩慢になる、疲れやすい、運動能力が低下してしまい、友達にからかわれて傷ついたり、自分に自信をなくしてしまって、他のいろいろなことにも影響を与えたりします。

 

  • 身長相当の洋服はおなかがきつくて入らず、身長より大きい服を買っている。

  • 1年間に5kg以上体重が増えている。

  • 偏食が激しく、食べれる食品が少ないので食事作りにとても苦労している。

 

このようなサインがあった場合、治療が必要になっているかもしれません。小児科に相談してみましょう。

 

肥満の治療

子どもと言っても長い間についた生活習慣・食習慣を見直して、ひとつひとつ変更していくのは大変なことです。

ただ大人の肥満治療と違うのは、治療をがんばるのは本人ではなく、周囲の大人だということです。周囲の人がこれまでの生活習慣を変更し、本人の環境を整えてあげることで自然に本人の生活習慣が改善されていくことが理想的です。

また大人のように無理な短期間のダイエットはできません。子どもは心身の成長を正常に保ちながら肥満を解消していく必要があります。ですから治療にかかる期間は場合によっては年単位になります。

毎回の外来の中で食事の内容や生活の内容を相談しながら、本人にも家族にも実現可能な方法を探っていくことになります。

肥満外来について

当院の肥満外来は予約制となっています。受付までお電話でご予約ください。

初診時は時間がかかりますので、できれば火曜日か金曜日の特殊外来の枠での予約をお勧めします。

 

 

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